どうも、ぽそ工房チャンネルでございます!
今回はKZの新作『ZAS』をレビューしていきたいと思います。名前とドライバ構成から見ても、あの名機『ZAX』の後継機ではないかと思っております。ドライバ数は7BA1DDとZAXと同じ構成なんですが、構成が変更されているようです。今回はどのように変わったのかチェックしていきたいと思います。
スペック
カタログスペック
- 重量 11g
- 再生周波数帯域 10〜40000Hz
- インピーダンス 24Ω
- 出力音圧レベル 109dB
- ピンタイプ 2PIN 0.75mm
- ドライバ 7BA+1DD
ドライバ詳細
ZASのドライバ
・中高域用 6基(BA 50024s)combination
・中域用 1基(BA 30019)
・低域用 1基(DD 10mmドライバ)
ZAXのドライバ
・高域用 1基(BA 30095)
・中高域用 4基(BA 50024)
・中域用 2基(BA 30019)
・低域用 1基(DD 10mmドライバ)
ドライバの詳細ですが、中高域用に6基、中域用に1基、低域用にダイナミックドライバ1基、という構成になっています。もっと色んな種類のBAドライバを搭載していると思ったら2種類だけで、メインとして最近よく搭載されている、50024sコンビネーションドライバと、微調整役として30019を搭載しているみたいです。
ZAXと比較してみると30095がなくなり、50024sコンビネーションドライバの数が増えています。これがどのように音に影響してくるか、あとで検証してみたいと思います。
開封
箱の中身はいつも通りの構成
- イヤホン本体
- 取扱説明書
- イヤーピース(スペア)
- ケーブル
- 合格証
イヤホン本体
今回はフェイスプレートの作りが今までと変わっています。最近のモデルは金属製のフェイスプレートでしたが、今回は樹脂製になっています。
カラーはブラックとシルバーの2種類。今回はブラックを選びました。ゴールドの縁取りが、成金っぽくて嫌いじゃないですw 樹脂製のフェイスプレートも悪くないんですが、傷が目立ちそうです。
内側の形状は上部に出っぱりのあるタイプ。最近は全部このタイプですね。私の耳にはうまくフィットするのでいいんですが、合わない人には可哀そうです。
内部のドライバの配置はZAXと同じような配置となっていました。
そして、本体上部にはいつも通り性能をアピールする文字が入っていました。最近は『L』『R』が印字されているので、左右が分かりやすくなっています。
標準で付いているイヤーピースは、角ばったタイプのものが付いていました。
ノズルも最近の細いタイプとなっているので、イヤーピースを交換する際は注意が必要です。完全ワイヤレスイヤホン用のものが合うと思います。
イヤーピース
一般的な傘のタイプとなっています。人によって、合う合わないがあると思うので、付け替えてみて、合う方を使うと良いでしょう。
ケーブル
ケーブルは24BA搭載のASTに付属していた、8芯の銀メッキケーブルと同じものでした。このクラスになってくるとリケーブル
しなくても十分な性能なので、非常にありがたい。
試聴
試聴環境はソニーのウォークマン(NW-A45)を使って試聴していきます。
開封直後の音
開封直後の音ですが、ZAXの後継機らしくフラット寄りの弱ドンシャリでバランスの良い音でした。やはり多ドラのハイブリッド構成に関してはKZは得意な様です。
最近のKZは中低音重視のイヤホンが多かったですが、今回はかなりクリアで、スッキリしています。音場は最近のモデルの中では広めな印象です。
BAドライバの50024sコンビネーションドライバのおかげか、定位感、サラウンド感がかなり良い感じです。
エージングによって、中高音の硬さや低音との馴染みが良くなれば、更に良い音になりそうです。
装着感
形状は、最近ではお馴染みの内側上部に出っ張りがあるタイプとなっています。今回は圧迫感は少ない反面、若干小ぶりな印象です。とは言ってもほんとに少しの差なので、引き続き合わない人には合わないかもしれません。
ノズルの飛び出しが少し短い印象で、標準のイヤーピースでは少しぐらついてしまいましたが、イヤーピースを変更したら良い感じになりました。(SpinFit CP360に交換)
100時間エージング
iPhoneのアプリ『オーディオエージング』でピンクノイズを流してエージングをおこないました。
エージング前と基本的には変わりませんが、解像感、分離感が増したように感じます。エージングによって、各音域の繋がりが良くなり、より自然な感じになったと思います。
特に中高音の明瞭さが良くなって見通しが良くなり、表現豊かに立体的に聞こえるようになりました。
●高音域 ストリングス、ギターのカッティング音がクリアに響き渡る
音場の広さも相まってサラウンド感が素晴らしい
●中音域 ボーカルの立ち位置が丁度良い距離感で、バックで鳴っている
楽器のおとも埋もれずに解像感良く聞こえます
●低音域 他の音域を邪魔する事なく自然な出方。しっかりと必要な分
は出力されている。中音域とのクロスオーバーの調整が良く
スッキリした感じに。
ZAXと比較
皆さんお待ちかねのZAXとの比較です。
ZAXと比べると、ZASの方が中音域が前に出でいて、フラットな音質に感じます。ボーカルの艶感もZASの方が一枚上手で、最近のKZの音作りの賜物かもしれません。
初めにZASを聴いた時は寒色系の音に感じていましたが、ZAXと聴き比べると、ZASが暖色に感じるほど差がありました。今回のZASは今のKZが考えるドンシャリの答えなのかもしれません。
イヤホン形状により耳への密着度が上がったせいか、サラウンド感や没入感も向上しています。
私がKZに調教されているせいか分かりませんが、今回のZASの方が好きな音です。
今回の音作りに関しても賛否両論判れているようですが、ユーチューブ動画の視聴者様のコメントに対する私の意見も載せておきます。
※昔のKZの音作りと最近のKZの音作りが変わって来ていると思います。昔は本当にドンシャリで、シャリシャリ気味のクリアな高音と低音。最近は中音域を意識した音作りとなっています。昔からKZを知っている人は今回のZASに関して、その中音域の主張によって音場が窮屈、もしくは中低音が出過ぎていると感じてしまう人も居るかと思います。私はその中音域のチューニングによって楽器やボーカルに艶感だったり生っぽい音に感じるので良い音だなと感じています。 あまり偏った意見ばかりだと、企業の宣伝の様に感じてしまうので、様々な意見が出る事は良い事だと思います♫ ※あくまで私の個人的な意見なので参考程度にして下さいw
AZ09と接続
商品ページにも載っていたこの組み合わせです。
「何でもワイヤレスにしちゃうマン AZ09」との組み合わせですが、有線の時と比べてドンシャリ傾向が増した感じになりました。
デジタル感が出て再生周波数も若干減少した感じに聞こえますが、元々のバランスが良いのでワイヤレス化しても十分使えるレベルだと思います。
個人的には、音質の良いイヤホンなので有線で使用したいなと思ってます。
バランス接続
視聴環境
SONY NW-A45
FiiO Q1 Mark Ⅱ
YYX4849 16芯 銀メッキケーブル バランス2.5mm
今回もバランス接続でも試してみました。16芯のケーブルにリケーブルしてアンプに繋ぎバランス接続で聴いてみると、ワンランク上質な感じになりました。中音域の表現が濃厚になり、更に解像感が増して、各楽器の音色が綺麗に聴きとれます。より生っぽくリアルな音になりました。ZAXと同様に、バランス接続との相性が良いと思います。ZASを買った方には、是非試してもらいたいです。
まとめ
ZAXの後継機として、非常にバランスの良い仕上がりになっています。弱ドンシャリ寄りのフラットな音で、万人に受け入れられるような音だと思います。
中音域の表現がかなり成熟してきていて、ボーカルやアコースティックギターなどが生っぽく聴こえ、音のリアリティーを追求してきた一つの終着点かもしれません。また、音楽のジャンルや再生機器問わず、どのような環境でもそつなく鳴らしてくれる万能さも持っています。ファイル形式に関しても、高ビットレートのファイルはもちろん、MP3やストリーミング音源も軽快に聴くことが出来ました。
既にZAXを持っていて、ZAXの音は好きだけど高音が耳に刺さる、という人は買い替えもありかもしれません。デザインが気に入れば、初めての中華ハイブリットイヤホンにも良い選択だと思います。
やっぱりKZは、多ドライバーのハイブリットイヤホン作りが得意なんだな、と感じた一台でした。
●ZAXの後継?として非常にバランスの良い仕上がりに
●弱ドンシャリ寄りのフラットな音で、万人に受け入れられるような音
●中音域の表現がかなり成熟してきた
●ジャンル、再生機器問わずそつなく鳴らしてくれる
●ZAXの音は好きだけど、高音が耳に刺さるという人は買い替えも
ありかも?
●デザインが気に入れば初めての中華ハイブリットイヤホンに